ビジネス書 自己啓発本 「本当に役立つ本」 紹介 !

年間100冊以上好きで読んでいますので、アウトプットしようと決意。できるだけ質のいい、活かせる情報を。

「鬼速PDCA」  冨田 和成

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このPDCAはすごい!

タイトルで少しウサンクサイ?!と思ってしまった第一印象。
しかし!!中身をしっかり読むと、今まで読んできたPDCA系の本の中でも、トップクラスの実用性にビックリしました。単純に「P」、「D」、「C」、「A」の順番で1周するものではない

著者が教えてくれるPDCAサイクルは、よくあるPDCA本とは次元が違う感覚。
「一度計画を立てたあとは、小さなタスクなどを繰り返し消化していく『実行のサイクル』が回り続ける。この鬼速PDCAをチームで実行すれば、単に各自進捗を報告しあって、「引き続きがんばりましょう」といった無意味なミーティングも無くなります

鬼速PDCA

 

PDCAと聞いて、こういったことを思われた方には、
ぜひとも読んでいただきたいです!目からウロコ間違い無しです!

・PDCAは知ってるけど、そんなに役立つかな?
・できれば、個人でも、チームでも役立つ仕事術は無いかな?
・計画立てて、実行して、確認・検証して改善するってだけでしょ。
・品質管理や生産管理のフレームワークじゃないの?
・問題や課題を解決のときに使うやつでしょ?
・大きな課題のときだけ回せばいいんでしょ?
・普段の仕事で役立つ?何に役立つ?
・そんなの簡単。
・そんなの、いまさら・・・。

 

著者は実際にこの本に書かれているPDCAを実践し、一橋大学卒業後に野村證券で数々の営業記録を樹立、そして最年少で本社の富裕層向けプライベートバンク部門に異動。その後シンガポールビジネススクール留学を経て、タイにてASEAN地域の経営戦略を担当。2013年「世界中の誰もが全力で夢に挑戦できる世界を創る」ことをミッションとして、株式会社ZUUを設立。Fin Tech企業の一角として、月間250万人を集める金融メディア「Zuu online」や、主要なピッチコンテストでも受賞歴のある投資判断ツール「Zuu Signals」で注目を集める。

 

(この本は、以前ご紹介させていただいた「15分ミーティングのすごい効果」や「最高の結果を出すKPIマネジメント」を合わせて読むと(同時に読むとしんどいので順番に読んでくださいね)、より一層「鬼速PDCA」を加速させることができると思います!この本でも「KPI」や「KGI」が出てきます!ご紹介ページで簡単ですが、説明させていただいています。

 

PDCAは前進を続けるためのフレームワーク
であり、それを高速を超える「鬼速」で回し続けることで、会社、部署、そして個人が圧倒的なスピードで成果を出し続けることができる。さらに前進していることを実感することで自信がわき、モチベーションが上がり、さらにPDCAが速く回る!これが著者のいう「鬼速PDCAの神髄」。
(「鬼速」というのは、著者が考えた造語です。めちゃくちゃ速いということ。といっても、ちゃんと読めば「そんなに大変じゃない。でも、もの凄く効果が期待できる」ということがわかります。)

 

この本は学術書PDCAの理論を説明した本では全くないです。「超」がつくほどの実用書。だから、この本に書いてある通りにまずはマネしてやってみる。実際に今やっている仕事で使ってみる。それを前提に書かれているので、ちゃんとアウトプットして行動にうつすぞ!と思う方には心からおすすめします!
上級者への1歩目は、まずはマネからですね。(以前ご紹介した「学びを結果に変える アウトプット大全」もいいです。)

 

ポイントとして、

・この本の構成として、

①計画初級編:ギャップから導き出される「計画」

②計画応用編:仮説の精度を上げる「因数分解

③実行初級編:確実にやり遂げる「行動力」

④実行応用編:鬼速で動くための「タイムマネジメント

⑤検証:正しい計画と実行の上に成り立つ「振り返り」

⑥調整:検証結果を踏まえた「改善」と「伸長」

⑨チームで実践する鬼速PDCA

付録:鬼速PDCAツール(ダウンロード可)

 

このような流れで鬼速PDCAを学んでいく。1つずつの項目は各ステップで詳しく例を用いて説明されているので、とてもわかりやすいです。付録もすぐに使えます!私は、自分なりにカスタマイズして1つだけ使わせてもらっています。その1つは私にとって、すごく役立つツールになっています。もちろん他のツールもすごくいいと思いますが、私は1つだけでした。ビジネスマンである限り使い続けると思います。

 

・計画初級編:ギャップから導き出される「計画」

 ↓ こんな感じです(汚い字でごめんなさい)↓

鬼速PDCAめも

ちょっとメモしているの(選好性とか)は、以前ご紹介した浅田すぐる氏の著書「紙1枚松下幸之助」で学んだ切り口です!

 

・ゴール(KGI)の期間は、1~3か月くらいが理想

これくらいの期間であれば、人やチームが成長するには十分な期間。

 

・適度にブレイクダウン

仕事であれば、上司やお客様から一方的に数値目標を言われることが多い。その場合でも、ゴールがあまりにも大きな塊だったら、そのままPDCAを回すのではなく、適度にブレイクダウンしてから着手する。その方が断然に高い精度でPDCAを回せる。

 

・課題の設定を間違えても大丈夫

仮に課題の設定をミスしても、又は見落としたとしても、定期的に検証を行っていれば、「もしかして、他に課題があるのかも?!」と気づく。むしろ、課題を洗い出すためにPDCAを回すという意識が重要

 

・課題に優先度をつけて3つに絞るコツ

インパクトの最も高いものを最低でもひとつ選ぶ

インパクトが劣っていても短い時間でできそうなものがあれば選ぶ

③同列の課題が並んでいたら、気軽さを基準に絞り込む

 

・全てのKPI化する必要はない

KPI(Key performance Indicator)とは、結果目標。「サブゴール」と思うとわかりやすいかもしれない。
(「最高の結果を出すKPIマネジメント」でいうと「事業成功の鍵を数値目標で表したもの」です。しつこいですね。すみません。。。)

KPIを絞るときの基準は、できるだけ頻繁に検証できて、なおかつ成果がその数値に正確に反映されるもの。これを満たすものを1つ(できれば2つ以上)選ぶ。

 

KPIはあくまで「目指す結果」であって、「行動の目標」ではないことに注意。
「どうなりたいか?」の基準となるものがKPIなのだ。

 

・解決「策」ではなくて、解決「案」

解決「策」とすると、「Do」や「TO Do」と混同するので、あえて解決「案」としている。(いきなりやることリストにいってはダメなんですね)
KPIを決めたら、その数値を達成するための「解決案」を最低1つは考える。

 

例えば・・・営業の方が「KPI」を「受付突破率 5%→15%」とした場合、解決案は、

・笑顔を鍛える

・発生トレーニングのセミナーに行く

・営業術の本をたくさん読んでヒントを探す (本文より引用)

みたいなことです。

 

見える化 は、会社でも個人でもやるべき

KPIを目立つところに書き出しておくことを強くおススメする。
意識づけがなされていると、脳内のゴールにまつわる領域が活性化しやすくなる。

エレベーターピッチも同じ
(たまたま投資家とエレベーター内で一緒になった。エレベーターが止まるまでの30秒でビジネスプランを説明しなくちゃならない。それができるようになるには、四六時中そのことを考えていなければならない。)

 

PDCAの速さと深さは因数分解で決まる

鬼速PDCAでは、仮説の精度の向上が欠かせない。

仮説の精度を支えるのが、因数分解能力」
要するに、「ゴール」と「現状」を構成する因子(要因・要素)を
どんどんリストアップ
していく考え方
因数分解には、ロジックツリーを使う。(でた!問題解決系の技術。マッキンゼー系の本でよく出るフレーム!)

(仮説思考やロジックツリーやMECEについては、以前ご紹介させていただいた「問題解決プロフェッショナル」が超定番で、おすすめです)

 

因数分解するときの7つのポイント

①抽象度を上げてから分解する

まず「テーマ」を置く。「ゴール」がそのまま「テーマ」になるとは限らない。
例えば「経常利益10億円を目指す」というゴールがあった場合、因数分解するときのテーマは「利益構造」いするといい。(ロジックツリー系の本で必ず出るパターンにもっていけるから)

「利益構造」の2段目は、「売上」と「コスト」に分解される。(やっぱり)

 

著者曰く、もちろん「経常利益10億円」をロジックツリーにもってきてもいい。しかし、その場合2段目は、「売上50億円」、「コスト40億円」みたいに、いきなり大きな因数になって、難しくなる。だから、抽象度を上げるというコツ、覚えておこう。

 

②5段目まで深掘りする

深掘りするときは、基準として5段目まで行う。著者の経験的に、ここまで深掘りすると、解決案もかなり具体的になる。

 

③1段目だけはMECEを徹底する。

1段目で「抜け」が発生すると、その下位にくるすべての課題が検討対象から外れてしまう。だから1段目だけはMECEを必ず意識して確実に抜け・モレが無いようにする。

 

④切り口に悩んだら「プロセス」で切る

ロジックツリーでMECEの最初の切り口で悩んだら、プロセスで分解する方法が簡単で、確実。

「普段どういうプロセスで仕事をやっているか?」という問いから始めるといい。仮に自分がやったことが無い仕事にチャレンジする場合は、当然プロセスがわからない。そんなときは、管理職の先輩に聞く、ことや、本の目次を利用する がおすすめ。

 

「プロセスに分ける」というには、以前ご紹介させていただいた「孫社長にたたきこまれたすごい数値化仕事術」が参考になります!)

 

⑤簡単な課題は「質×量」で切る

因数分解はプロセスで切ると簡単で確実。でも2段目、3段目になってくると苦しくなる。そんなときは、「質×量」で切るのがいい。

距離=速度×距離 も

走った距離(成果)=走る能力(質)×走った時間(量)。

著者も野村証券時代、プロセス以外の切り口として、新規開拓の成果を下のように「質と量」で因数分解して、末端に並ぶ因子を全て課題にしていた。

鬼速PDCA めも2

そして、「質」は必ず「率」で考えることができる

⑥とにかく文字化する

どうやったら因数分解が上達するか?
基本はとにかく紙に書き出すこと。

本書では、4色ボールペンを著者が使用していたエピソードがほんの数行書かれていますが、これが少し興味深いです。

 

マインドマップで鍛える

メモ書きを眺めても考えがまとまらないとき、著者はマインドマップを使用していた。マインドマップはロジックツリーの集合体のようなもの。

マインドマップはA3の紙に書く人が多いけど、著者はパソコンで書くデジタル派。著者のおススメソフトは、XMind社のXMind
(私もこの本でこのフリーソフトを知り、重宝しています。とくに部下や後輩に仕事を引き継ぐときにはすごく使い勝手がいいです。)

 

PDCAほどわかっているつもりで、わかっていない、そして基本だと言われているのに実践している人が少ないフレームワークも珍しい。

と著者は言います。これだけビジネス環境の変化が大きくなった今の時代こそ、成長スピードが速く、柔軟性の源にもなる「PDCA力」は、会社にとっても個人にとっても、最強のスキルだと声を大にして言いたい。

 

 

この本は、わかりやすさをグンっと上げるために、「営業」と「英語の勉強」を例にして全てのステップが説明されています。だから、すごく具体的でわかりやすいです。
特にKPIや解決案、そしてDO(実行)の出し方や、考えて出てきたアイデアの絞る方法などピカイチです。

とにかくワークブックを使って勉強している感覚で一気に読めました。このPDCAを習慣にできた会社・チームは本当に進化すると思います。私のチームや会社はまだここまでのレベルにはなっていませんが、個人的な勉強や目標のためにこの「鬼速PDCA」めちゃくちゃ役立っています。資格試験の取得で去年超超お世話になりました。
PDCA系の実践的な本を探されている方はぜひ!おすすめです。

 

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