ビジネス書 自己啓発本 「本当に役立つ本」 紹介 !

年間100冊以上好きで読んでいますので、アウトプットしようと決意。できるだけ質のいい、活かせる情報を。

「最高の結果を出す KPIマネジメント」  中尾 隆一郎

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この「最高の結果を出す KPIマネジメント」は、以前ご紹介させていただいた4DX関係の書籍(「戦略を実行できる組織、実行できない組織」「図解 戦略実行」「実行する技術4DX」)が少しハードルが高いな、「7つの習慣」などにはあまり興味が無いなという方には打って付けの本です。4DXと同じく、目標を達成するためのツール、方法ですが、中でもこの本は
「KPIってそもそも何?」という方から、「KGIやKPIを設定して仕事をしているけどイマイチ成果がでない!」と言う方にぜひ読んでいただきたい本です。私も4DXを仕事で導入する前は、このKPIを使用し、売上を伸ばす、開発期間を短くする、コストを削減するなどのプロジェクトで大いに役立ち、望む結果を得ることができました。

最高の結果を出すKPIマネジメント

KPIを基礎から学びたい方、実際にKPIを作りたい・実践に役立てたい方、KPIマネジメントのレベルをアップしたい方に読んでいただきたい本です。KPIやKGIの意味は知っていても、その作り方や手順が間違っていると、結局うまくいかないのです。
KPIマネジメントを正しく理解し、正しく活用したい方が読めば、その適用範囲はかなり広く、応用がききます。また4DXには無い「PDDS」サイクルの回し方や、問題が出た場合に備えたリスクに対する事前検討事項など、丁寧にわかりやすく解説されています。

著者は、大阪大学工学部卒。同大学大学院修士課程修了後、株式会社リクルート入社。29年間務めたリクルート時代では、約11年間にわたってリクルートグループの社内勉強会において「KPI」、「数字の読み方」の講師を担当、人気講座となりました。また著者自身もKPIマネジメントを実践し、新規事業の立ち上げをいくつも行ってきました。まさにKPIマネジメントのプロです。

 

ポイントとして、

・覚えておきたい3つの登場人物

①KPI・・・「Key Performance Indicator」の略。Key Performanceは「事業成功の鍵」、Indicatorは「指標・数値目標」。ですので、
KPIとは、「事業成功の鍵を数値目標で表したもの」。

 

KGI・・・「Key Goal Indicator」の略。「最終的な目標数値」。

CSF・・・「Critical Success Factor」の略。「最重要プロセス」
      (Critical:重要な、Success:成功、Factor:要因)

 

4DXでいうと、KGIは、WIGと遅行指標のこと。特に遅行指標の数値部分ですね。
またCSFは先行指標の内容で、先行指標の中にある数値をKPIだということになります。う~ん、4DXを読んで実践で使っているからよけいにKPIマネジメントがわかりやすいです。

 

KPIなどの用語がわかれば、日経ビジネスも読めます。普通に。
詳細は ↓ こちらから ↓ 。

www.fujisan.co.jp

 

・KGI、CSF、KPIの関係(位置づけ)

まず「現在」があって、達成したい「ゴール」が仕事ではあると思います。そしてその現在からゴールまでの間には「プロセス」があります。
このプロセス(ゴールまでの道、達成方法)はいくつかあると思いますが、中でも「最も重要なプロセス=事業成功の鍵」がCSFです。そしてそのCSFを数値で表したものがKPIなんですね。そして、最終的なゴールを数値で表したものがKGIなのです。そんなに難しいものじゃないです。かっこつけて?英語の略で言っているだけです。

わかりやすくするためにヘタクソな絵ですが、こんな感じです ↓

KPI KGI CSFの関係図

・KPIマネジメントで失敗するあるある

①そもそもKPIしか設定していない
②たくさんの数値目標を設定してしまっている(4DXでも2つか3つまで)
③現場でコントロールできない指標をKPIとして設定してしまっている
④KPIに先行指標ではなく、遅行指標(結果の数値:売上や利益など)を選択してしまっている(単語も4DXで使用する言葉が出てきていますね。それと影響が及ぼせない指標を設定しても、ゴールには近づくことができない、というのも4DXの考え方とそっくりです。)

 

間違った指標や数値を見ながらマネジメントしていては、事業運営がうまくいくわけがない。いわば、スピードメーターが間違った自動車で運転しているようなもの

 

・KPIマネジメントの正しいステップ

ステップ①:KGIの確認・・・利益〇〇円など
ステップ②:ギャップの確認・・・「現在」と「KGI」のギャップ(差)は〇〇」
ステップ③:プロセスの確認・・・モデル化(どんな達成方法があるか洗い出し)
ステップ④:絞り込み・・CSF(最重要プロセス)の設定
ステップ⑤:目標設定・・KPIの目標設定は〇〇
ステップ⑥:運用性の確認・・・整合性、安定性、単純性があるかどうか確認
ステップ⓻:対策の事前検討・・・KPI悪化時の対策と有効性の事前検討
ステップ⑧:コンセンサス・・・関係者との合意をとっておく
ステップ⑨:運用
ステップ⑩:継続的に改善

この10個のステップについて、それぞれわかりやすい例を使って説明されていますので、初心者でも安心して理解しながら読めます。だから身に付く。そして役立つ。成果が出ます。

 

・利益を上げるためには?(例)

利益=売上ー費用

つまり、利益↑ = 売上↑ ー 費用↓
利益を上げるためには、売上を上げるか費用を削減する必要がある。当たり前だけど。

自社のビジネスを数式にしてモデル化する

売上 = 販売数量 × 平均単価

販売数量 = アプローチ量 × 歩留まり(CVR)× 価格

よって、売上=アプローチ量↑ × 歩留まり(CVR)↑ × 価格↑
CVR:コンバージョンレートの略・・・ある量から最終的な成果にいたる割合を示す指標

 

こうやって数式としてモデル化すると、売上を上げるために何をするかが見えてくる。

アプローチ量を増やす のか 歩留まり(CVR)を向上させる のか 価格を上昇させるのか →そして・・・
私たちはそのために何をすればいいのかを考える

 

・CSFの設定するときの3つのステップ・・・絞り込み

ステップ①:「定数」と「変数」に分ける(本書では価格を定数として説明)
ステップ②:残ったものからCSFを選択する
ステップ③:歩留まり(CVR)を向上させるステップをさらに因数分解する

歩留まり(CVR)を向上させるには、
①認知→②利用→③複数企業の紹介  に因数分解する。
→ CSF=企業紹介数を増加させること

 

・整合性、安定性、単純性について

整合性:ロジックが正しいか?ということ
つまり、CSFが変化するとKGIも変化するのか?KPIが達成するとKGIも達成するのか?といった整合性を確認すること

 

安定性:安定して運営できるか?ということ
つまり、安定して数値やデータが入手できるか?カウントできるか?ということを確認すること(4DXでは、先行指標を決める時のポイントの1つ)

 

単純性:シンプルに理解できるか?ということ
つまり、現場のメンバー(実務者)が簡単に理解できるか?ということを確認すること

 

・対策の事前検討とコンセンサス

KPI数値が悪化した場合の対策を事前に決めておく。数値が悪化した場合の対策は大きく4つある。
①さらに資金を投入する
②さらに人を投入する
③両方やる(上の①と②)
④現有戦力のまま進める(つまり何もしない)

これらを事前に決めておかないと、いざというときに早く対処できない!

事前に決めておく項目としては、
①いつ(時期)
②KPIがどれくらい悪くなったら(程度)
③どうするのか(施策)
④最終判断者(決裁者)

 

・分母が変数の場合は要注意!

例えば首位打者争い。ヒット数÷打席数=打率。
首位打者争いをしている選手が、最終試合などで打席に立たないことがある。これなどまさに分母が変数の場合の割り算を指標にした場合の弊害。

→ 分数をやめて、実数にすればいい

 

・なぜ組織にKPIマネジメントが必要?

一言でいうと「KPIマネジメントを活用し、マネジメントそのものを進化させるため」

 

その際のキーワードが PDDS

Plan(よく考えて)→ Decide(すばやく絞り込んで)→ Do(徹底的に実行して)
→ See(きちんと振り返る)→ Plan・・・

最も重要なのは、サイクルを1回りし、もう一度次のサイクルに戻る部分。つまり
「S→P」の部分。

KPIが ”複数” あると、この「S→P」ができなくなる。しっかりと「振り返り」ができなくなってしまう。

 

・リクルートのお家芸 TTPとTTPS

TTP:「徹底的にパクる

TTPS:「徹底的にパクって進化させる

 

著者はリクルートで主に住宅、人材、IT領域を歩み、住宅領域の新規事業であるスーモカウンター推進室室長時代に同事業を6年間で売上を30倍、店舗数12倍、従業員数を5倍いた立役者です。リクルート住まいカンパニー執行役員、リクルートテクノロジーズ代表取締役社長、リクルートホールディングスHR研究機構企画統括室長、リクルートワークス研究所副所長を経て、2018年4月から現職。著書「転職できる営業マンには理由がある!(共書)」「リクルート流仕事ができる人の原理原則」「リクルートが教える営業マン進化術(共書)」などがある。

 

目指すゴールに到達するための「信号」がKPIであり、そのKPIマネジメントの入門から実践までをしっかり学べて使えるようになる良書です。また図が豊富にあるので理解しやすく、復習のときはその図を見るだけで記憶がよみがえってきます。また業態に合わせたKPIの事例がたくさん書かれていて、とってもお得な役立つ本です。プロジェクトリーダーや管理職、また個人の業績をしっかりと確実に上げたいという方、おススメです!

 

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人と組織を効果的に動かすKPIマネジメント

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